平成13年度秋期 午後II

問2 インターネットを活用した情報システムの計画策定について

 近年、企業は売上の増大やコスト削減のために、顧客や他企業との新たな関係作りに着目し、インターネットを活用した電子店舗システムや資材調達システムなどを構築することが多くなっている。
 このようなシステムでは、取引先が不特定で、かつ広範囲なことが多く、新たな商取引の流れや業務を構築するので、サービス要求レベル、システムの機能要件、システム化範囲、処理能力・利用者数などのシステム規模を、計画当初に予測することが困難である。また、情報システムが期待どおりの効果を発揮するためには、既存のチャネルや既存の業務プロセスの再検討も必要である。
 したがって、インターネットを活用した情報システムの構築に当たっては、当初構築する範囲・規模を限定し、それを順次、拡大するやり方が考えられる。この場合、コンテンツの更新、カスタマーサポート、システムの運用・保守などの体制を新たに整備したり、物流・決済などの他システムとの連携を再構築したりする必要もある。
 システムアナリストは、インターネットを活用した情報システムの計画策定に際しては、体制や他システムとの連携を考慮した上で、当初の範囲・規模を限定し、運用後に拡大できるような、段階的な実施案を考えることが重要である。
 あなたの経験と考えに基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア  あなたが計画策定に参画した、顧客や他企業を含むインターネットを活用した情報システム構築の背景と概要について、800字以内で述べよ。
設問イ  設問アで述べた情報システムの計画策定に際して、あなたはどのような観点から当初の範囲・規模を限定したか、その理由とともに述べよ。また、当初の情報システムを計画するに当たって、体制や他システムとの連携について、工夫した点は何か、具体的に述べよ。
設問ウ  設問イで述べた情報システムの計画について、あなたはどのように評価しているか、簡潔に述べよ。

  問われていること 解答すべきこと 問題文が主張するキーワード
設問ア
顧客や他企業を含むインターネットを活用した情報システム構築の背景と概要 背景と概要 企業は売上の増大やコスト削減
顧客や他企業との新たな関係作り
・電子店舗システムや資材調達システム
設問イ どのような観点から当初の範囲・規模を限定したか 範囲・規模を限定した観点 システム規模を、計画当初に予測することが困難
  体制や他システムとの連携について、工夫した点 連携の工夫 ・コンテンツの更新、カスタマーサポート、システムの運用・保守
・物流・決済
設問ウ 情報システムの計画について、あなたはどのように評価しているか 計画についての評価  
       
       

柔軟な拡大への対応を考慮した上で限定を行った点につきプラス評価
コスト削減も効果あり
新しい関係作りまではできず、既存顧客プラスアルファでしかなかった点がマイナス評価