平成12年度秋期 午後II

問3 情報システムのパイロット開発・導入について

 ERP のように企業全体に導入されるシステムや、サプライチェーンマネジメントのように企業内だけでなく関連企業にも導入されるシステムでは、多くの部門が関係するので、影響範囲が広がっている。また、新たな業務プロセスが導入されるなど、システム利用者への影響も大きくなっている。このようなシステムでは、システムの全機能・全部門を対象に一気に開発・導入を行うと、大きなリスクを伴うことが想定される。このような場合には、パイロット開発・導入によって、機能・性能・運用について次のような評価を行ってから、全面的な展開に進む方法がある。
・新しい業務プロセスを実際に運用する場合、部門を限定して適用し、機能が運用面で十分であるかどうかを検証する。
・新しい技術・手法を適用する場合、対象を限定して適用し、性能を確認する。
・社内外の多くの部門に関連するシステムを開発・導入する場合、協力の得やすいところから導入して、運用面での成功事例を作る。
 パイロット開発・導入を効果的に実行・検証するためには、プロジェクトの編成、パイロット対象となる部門や機能の選定、既存システムとの連携方法、利用部門への教育などで様々な工夫を行う必要がある。 あなたの経験と考えに基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア  あなたが計画策定に参画したパイロット開発・導入を採用した情報システムの概要について、関連する部門・組織の範囲や新たに導入・変更された業務プロセスを中心に、800字以内で述べよ。
設問イ  設問アで述べた情報システムについて、機能・性能・運用の面からどのような問題点を想定し、パイロット開発・導入計画を策定したか。また、パイロット開発・導入計画を効果的に実行・検証するためにどのような方策をとったか、工夫した点を中心に具体的に述べよ。
設問ウ  設問イで述べた方策の結果をどのように評価し、引き続く全面的な開発・導入にどのように反映させたか、簡潔に述べよ。

  問われていること 解答すべきこと 問題文が主張するキーワード
設問ア
パイロット開発・導入を採用した情報システムの概要 関連する部門・組織の範囲 ・ERP のように企業全体
・サプライチェーンマネジメントのように関連企業にも導入
    新たに導入・変更された業務プロセス  
設問イ 機能・性能・運用の面からどのような問題点を想定し、パイロット開発・導入計画を策定したか 機能・性能・運用の面からどのような問題点 ・機能が運用面で十分であるか
・協力
  パイロット開発・導入計画を効果的に実行・検証するためにどのような方策をとったか、工夫した点を中心に 効果的に実行・検証するためにどのような方策をとったか ・プロジェクトの編成
・対象となる部門や機能の選定
・既存システムとの連携方法
・利用部門への教育
設問ウ 方策の結果をどのように評価 方策の結果をどのように評価  
  引き続く全面的な開発・導入にどのように反映させたか 全面的な開発・導入にどのように反映  

問題点の発見と、改善ができたことにプラス評価
問題点を踏まえた対応